中国は一つだなんて勘違い!
出身地域によって人間の「気質」「性格」が濃厚に違うことをしらなければ、本当の中国は見えてこない。そしていまや、この厄介な“中国人地図”は世界的な規模で広がっている。本書を読めば、「なるほど、これが中国か、中国人か」と思わず声を出してしまう!
著者プロフィール
宮崎 正弘(みやざき・まさひろ)
評論家。1946年、石川県金沢市生まれ。早稲田大学中退。『日本学生新聞』編集長。月刊『浪漫』企画室長などを経て貿易会社を経営。1983年、『もう一つの資源戦争』(講談社)で論壇へ。以後、世界経済の裏側やワシントン、北京の内幕を描き、『ウォールストリートで読む日本』『ウォール街 凄腕の男たち』などの問題作を次々に発表してきた。近著に『中国バブル崩壊が始まった』(海竜社)、『現代中国「国盗り物語」』(小学館101新書)、『中国の「反日」で日本はよくなる』(徳間書店)、『2013年後期の「中国」を予測する』(ワック)など多数がある。
目次
プロローグ 「北京愛国」「上海出国」「広東売国」- 皇城の子、胡同の人びと
- 北京企業の多国籍企業化は無理?
- 「北京愛国」は見栄っ張りの証左
- 天津人は国際感覚に富む
- 河北省は平凡な生活を好む実務重視型
- 山東省は軍人と戦略家を輩出した
- 不死の薬を求めて
- 漢族による高度文明の痕跡─龍山遺跡
- 孔子の故郷では
- 黄河は漢族の性格を変えたのか
- 敬虔な仏教徒は顧客重視の行商を育んだ
- 河南人は誠実で急がない
- 老荘思想の源流
- 革命以前の上海
- 文豪・谷崎潤一郎の嘆き
- 豚角煮、田鰻、上海蟹
- コンビニ戦争は上海気質を如実に表している
- 利権の砦としての上海
- 上海には詐欺師も多い
- 杭州人は上海より文化が高いと考えている
- 日本とゆかりが深い寧波
- 蔣介石旧居と道元が留学した天童寺
- 紹興は魯迅、周恩来、秋瑾の故郷
- 投機集団「温州グループ」の実力
- 不動産投機の背後で
- 宝くじの偽物まで
- 江蘇省マフィアの原型は劉邦
- 江沢民の出身地は揚州
- 中国版ビル・ゲイツは鎮江出身
- 安徽省は曹操の故郷
- 「食は広州にあり」
- 反中央意識が強い
- 孫文、葉剣英ら広東軍閥を祀る広東人
- 深圳のめざましい発展
- ベトナムとの密貿易の拠点がある
- 海南省は流亡の果てに独特の保守文化をつくった
- アジア華僑の源流はいま
- 客家人の土楼は山奥に残存
- アモイの鄭成功像
- 複雑な福建語は広東語より難しい
- 福建省では台湾企業が大活躍
- 台湾の財界総理だった辜振甫一族
- 揺れる台湾人の心情は小島根性?
- 香港の興隆と衰退
- 香港独立よりも海外亡命が主流
- マカオは世界最大の博打場となった
- 東北の人びとは物静かで純朴?
- 満蒙開拓団が入植した三江平原
- 黒龍江省の東北端、目の前がロシア
- 北端の黒河も意外や意外、発展中
- 日本で働く吉林省の出身者
- 瀋陽(奉天)はいま
- 北朝鮮との国境の町々
- 資源で活気に溢れる最貧地域
- パオトウに屹立するレアアース・ホテル
- そして世界一の鬼城はオルダス
- 赤峰からカラチン府へ
- 湖南省は革命家、過激派の土壌
- 忠義には薄く、自己中心的で激情家が多い?
- 四川省と地震と激辛料理
- 反骨精神旺盛な四川人
- 古代王国は漢族とは無縁だった
- 重慶市は棒棒軍が二十万人
- 雲南省は少数民族と植物、宝石の宝庫
- ミャンマー国境の辺地は煙草の産地
- 大航海の鄭和は雲南の出身
- 貴州省の人びとにとって酒は命
- 辺境ではなく文化と交易の中心
- 革命聖地の観光地化、俗化
- 万里の長城を毀損する人びと
- 江西人は派手な商売を好まず、モラルを重んじる
- 水滸伝の拠点は九江
- 浪漫溢れるシルクロード沿線も経済発展
- 「小魚を相手にせず大魚を狙う」が口癖
- 「中華民族」は存在するのか
- あの「西夏文字」はどこへ消えたのか
- ともかく青海省はもともとがチベットだ
- ウイグル帝国の栄光の日々
- 独立国家だった東トルキスタン
- 漢族の比率がいまや四〇%になった
- チベット自治区には敬虔な信仰の民がいる
- 華僑の街は、アジアのみならず中東からカリブ海、アフリカ諸国へ
- ミャンマーに延びる華僑の商圏
- 様変わりする英国のチャイナタウン
- 南ベトナム政府崩壊直後、チャイナタウンが襲われた
- スカルノ時代末期から四十年間、沈黙を続けたインドネシア華僑
- 中国の影響下にあるバングラデシュ