出身地を知らなければ、中国人は分らない

宮崎正弘(評論家) 著
定 価:
本体950円+税
判 型:
新書判
ページ数:
308ページ
ISBN:
9784898316849
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中国は一つだなんて勘違い!

出身地域によって人間の「気質」「性格」が濃厚に違うことをしらなければ、本当の中国は見えてこない。そしていまや、この厄介な“中国人地図”は世界的な規模で広がっている。本書を読めば、「なるほど、これが中国か、中国人か」と思わず声を出してしまう!

著者プロフィール

宮崎 正弘(みやざき・まさひろ)

評論家。1946年、石川県金沢市生まれ。早稲田大学中退。『日本学生新聞』編集長。月刊『浪漫』企画室長などを経て貿易会社を経営。1983年、『もう一つの資源戦争』(講談社)で論壇へ。以後、世界経済の裏側やワシントン、北京の内幕を描き、『ウォールストリートで読む日本』『ウォール街 凄腕の男たち』などの問題作を次々に発表してきた。近著に『中国バブル崩壊が始まった』(海竜社)、『現代中国「国盗り物語」』(小学館101新書)、『中国の「反日」で日本はよくなる』(徳間書店)、『2013年後期の「中国」を予測する』(ワック)など多数がある。

目次

プロローグ 「北京愛国」「上海出国」「広東売国」
第1章 北京とその周辺の人びと ■北京は農耕と遊牧の文化複合体
  • 皇城の子、胡同の人びと
  • 北京企業の多国籍企業化は無理?
  • 「北京愛国」は見栄っ張りの証左
■天津人は朗らかに爽快に人生を送る
  • 天津人は国際感覚に富む
■河北人は純朴で忠誠心が比較的に強い
  • 河北省は平凡な生活を好む実務重視型
■山東省は快楽的で剛直、秩序を重視する
  • 山東省は軍人と戦略家を輩出した
  • 不死の薬を求めて
  • 漢族による高度文明の痕跡─龍山遺跡
  • 孔子の故郷では
  • 黄河は漢族の性格を変えたのか
■山西人は頑固者で自己愛が強い
  • 敬虔な仏教徒は顧客重視の行商を育んだ
■朴訥で人情にもろい農民が河南省の特徴
  • 河南人は誠実で急がない
  • 老荘思想の源流
第2章 長江流域(華中)の人びと ■中国人から嫌われ、外国人から好かれる上海人
  • 革命以前の上海
  • 文豪・谷崎潤一郎の嘆き
  • 豚角煮、田鰻、上海蟹
  • コンビニ戦争は上海気質を如実に表している
  • 利権の砦としての上海
  • 上海には詐欺師も多い
■浙江省は計算高く、行動が素早い
  • 杭州人は上海より文化が高いと考えている
  • 日本とゆかりが深い寧波
  • 蔣介石旧居と道元が留学した天童寺
  • 紹興は魯迅、周恩来、秋瑾の故郷
■温州商人はどれほどえげつないか
  • 投機集団「温州グループ」の実力
  • 不動産投機の背後で
  • 宝くじの偽物まで
■江蘇人は文を好み武を軽蔑、商いを重んじる
  • 江蘇省マフィアの原型は劉邦
  • 江沢民の出身地は揚州
  • 中国版ビル・ゲイツは鎮江出身
■土着の夷族と越人が混交した安徽人
  • 安徽省は曹操の故郷
第3章 華南の人びと ■広東人の挨拶は「儲かりまっか」
  • 「食は広州にあり」
  • 反中央意識が強い
  • 孫文、葉剣英ら広東軍閥を祀る広東人
  • 深圳のめざましい発展
■山水水墨、自然を愛する広西人
  • ベトナムとの密貿易の拠点がある
■保守的かつ封建的だが、自由への憧れが強い海南島人
  • 海南省は流亡の果てに独特の保守文化をつくった
■福建省は台湾人の祖先の地であり、アジア華僑の故郷
  • アジア華僑の源流はいま
  • 客家人の土楼は山奥に残存
  • アモイの鄭成功像
  • 複雑な福建語は広東語より難しい
  • 福建省では台湾企業が大活躍
■世界一の親日国家、台湾人の律儀さ
  • 台湾の財界総理だった辜振甫一族
  • 揺れる台湾人の心情は小島根性?
■香港人の大半は「中国人と同一視してくれるな」という
  • 香港の興隆と衰退
  • 香港独立よりも海外亡命が主流
■ポルトガル流キリスト教と道教が混在するマカオ
  • マカオは世界最大の博打場となった
第4章 東北三省と内蒙古の人びと ■漢族から過酷な弾圧を受けた満蒙両族
  • 東北の人びとは物静かで純朴?
■日本の農家への嫁入りトップは黒龍江の娘たち
  • 満蒙開拓団が入植した三江平原
  • 黒龍江省の東北端、目の前がロシア
  • 北端の黒河も意外や意外、発展中
■吉林省は朝鮮族が多い
  • 日本で働く吉林省の出身者
■遼寧省は三省のなかでは垢抜けしている
  • 瀋陽(奉天)はいま
  • 北朝鮮との国境の町々
■蒙古気質はどこへいったのか
  • 資源で活気に溢れる最貧地域
  • パオトウに屹立するレアアース・ホテル
  • そして世界一の鬼城はオルダス
  • 赤峰からカラチン府へ
第5章 中西部から南西地方の人びと ■貧困の農作地帯で封建的ゆえに、教育熱心な湖南人
  • 湖南省は革命家、過激派の土壌
■湖北省は水が豊かで詩情も豊か
  • 忠義には薄く、自己中心的で激情家が多い?
■たびたびの地震災禍にも屈しない巴蜀人
  • 四川省と地震と激辛料理
  • 反骨精神旺盛な四川人
  • 古代王国は漢族とは無縁だった
■急坂と担ぎ屋、マフィアが跋扈する重慶
  • 重慶市は棒棒軍が二十万人
■山奥なのに日本との絆が深い雲南省
  • 雲南省は少数民族と植物、宝石の宝庫
  • ミャンマー国境の辺地は煙草の産地
  • 大航海の鄭和は雲南の出身
■貴州人は忍耐強い
  • 貴州省の人びとにとって酒は命
■陝西省は昔、中原のど真ん中だった
  • 辺境ではなく文化と交易の中心
  • 革命聖地の観光地化、俗化
  • 万里の長城を毀損する人びと
■江西省人は謙虚で含蓄深い
  • 江西人は派手な商売を好まず、モラルを重んじる
  • 水滸伝の拠点は九江
■甘粛省人は忍耐強く、保守と進取が共存
  • 浪漫溢れるシルクロード沿線も経済発展
  • 「小魚を相手にせず大魚を狙う」が口癖
第6章 イスラム教徒とチベット族 ■言葉という文化の根幹さえ地方によって異なる現代中国
  • 「中華民族」は存在するのか
■寧夏回族自治区は漢族だが、イスラム教徒の砂漠
  • あの「西夏文字」はどこへ消えたのか
■純朴善良だが、屈強で頑固な青海人
  • ともかく青海省はもともとがチベットだ
■イスラムの連帯、コーランの世界はいま
  • ウイグル帝国の栄光の日々
  • 独立国家だった東トルキスタン
  • 漢族の比率がいまや四〇%になった
■輪廻転生を信じる篤実な仏教の国
  • チベット自治区には敬虔な信仰の民がいる
第7章 海外華僑、華人、新移民 ■海外華僑は福建人が嚆矢となった
  • 華僑の街は、アジアのみならず中東からカリブ海、アフリカ諸国へ
  • ミャンマーに延びる華僑の商圏
  • 様変わりする英国のチャイナタウン
  • 南ベトナム政府崩壊直後、チャイナタウンが襲われた
  • スカルノ時代末期から四十年間、沈黙を続けたインドネシア華僑
  • 中国の影響下にあるバングラデシュ
あとがき
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