認知症にならない生活習慣とは!?
高齢になると一番心配なことは、自分が認知症になることだ。しかし、認知症になりかけたときに、自分自身でそのことがわかるかどうかはむずかしい。同じことを繰り返し言うようになった、昨日の夕食が思い出せない、料理の味付けがおかしくなってきた、性格が急に変わった──こんな症状が出てきたら、夫や妻、家族の人たちは要注意! 本書を読めば、年齢相応のボケ症状と認知症の見分けかたや、認知症にならないためにはどういう生活をすればいいのかがわかる。
著者プロフィール
石浦章一(いしうら・しょういち)
東京大学大学院総合文化研究科教授。
1950年、石川県生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業、東京大学理学系大学院修了。理学博士。国立精神・神経センター神経研究所、東京大学分子細胞生物研究所を経て、現職。専門は分子認知科学。難病の解明をライフワークに、遺伝性神経疾患の分子細胞生物学研究をおこなっている。『IQ遺伝子』(丸善)、『脳学』(講談社)、『「頭のよさ」は遺伝子で決まる!?』『老いを遅らせる薬』(PHP新書)、『サルの小指はなぜヒトより長いのか』(新潮文庫)、『いつまでも「老いない脳」をつくる10の生活習慣』『「脳をうまく働かせる人」の習慣力』(ワック)など多数。
目次
プロローグ 年をとれば忘れっぽくなるのは当たり前だが……- 老化と認知症の境目は?
- 軽度認知障害は脳の血流を調べればわかる
- こんな症状が出てきたら要注意
- 加齢によるもの忘れと認知症のもの忘れの違い
- 料理などの段取りができなくなる
- 突然性格が変わる
- 同じものを何度も買う、お金の計算ができなくなる
- 迷子になる
- 「ご飯まだなの?」と聞くようになったら、かなり進んでいる
- 認知症の症状と似ている高齢者のうつ病
- 認知症早期発見のめやす
- 認知症にもアルツハイマー型認知症と脳血管性認知症がある
- 高血圧、高脂血症の人は脳血管性認知症になりやすい
- アルツハイマー型認知症になる危険性を調べることはできる
- 老人斑ができるかどうかは遺伝の影響が大きい
- 危険なアポE4遺伝子を二つ持っている人は一%以下
- アポE4遺伝子を持っているかどうかは検査でわかる
- アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症の違い
- 一人暮らしの男性が一番危ない
- 睡眠時間が長過ぎる人は認知症になりやすい?
- 運動不足と飲み過ぎの危険性
- タバコは血流を悪くして認知症の危険を高める
- もっとも注意しなくてはいけないのは血管障害
- 認知症になる前に科学的にわかる方法はあるのか
- アルツハイマー型認知症の薬にはどのようなものがあるか
- 症状によって使う薬が違う
- 薬の効果で認知症の進行を数年遅らせることができる
- 抗炎症薬は認知症を予防する
- 抗炎症薬で老人斑もたまりにくくなる?
- 根本的な治療薬はワクチン
- 再生医療に期待が持てるか
- 脳血管性認知症は悪くなるのが速い
- パーキンソン病は十年たつと認知症を発症する可能性が高い
- レビー小体型認知症は幻視症状が特徴
- 性格が変化して抑制がきかなくなる前頭側頭型認知症
- どういう生活が認知症の危険性を高めるか
- バランスのとれた食事で生活習慣病の危険性を下げる
- ゆっくり嚙んで食べる
- バランスのいい食事とは
- 普通の食生活をしていればビタミン不足はありえない
- 「見えるあぶら」よりも「見えないあぶら」に注意!
- エクストラバージン・オリーブオイルが認知症を予防する?
- ビタミン類の摂り過ぎはかえってよくない
- ビタミンEはサプリメントではなく食品から
- 野菜を食べていればビタミンCは十分摂れる
- コラーゲンは煮魚など、食事で摂らなければ効果がない
- グルコサミン、コンドロイチン、セサミンは?
- ほとんどのサプリメントは害もないが効果もない
- 毎日一万歩を目指す
- 若い人はなるべく速足で、高齢者は無理をしない程度で
- 六十五歳以上になると筋力が衰えやすい
- 三十分の速歩を週五回、一カ月行うと内臓脂肪は一〜二%減る
- 多少太っている人のほうが寿命が長い?
- 運動はできるだけ若い頃からはじめたい
- 定年前に第二の人生をどう過ごすかを考えておきたい
- 興味を持って意欲的に取り組めるものを探す
- 覚えられないことが多くなったら、工夫することが大切
- 「もう年だから」などと自分に限界を設定しない
- 地域や人の役に立つボランティアのような仕事をやってみる
- 何か目的を持って本を読む
- 頭を柔軟に保つためにも人と付き合う
- 意識的に相手をよく観察するよう心掛ける
- おしゃれを意識するだけでも脳を活性化させる
- 日々やるべきことを見つける
- 認知症にならないための四つの基本