零戦 なぜ、これほど愛されるのか

三野正洋(作家) 著
定 価:
本体900円+税
判 型:
新書判
ページ数:
192ページ
ISBN:
9784898316887
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零戦は大日本帝国の運命そのもの!

零戦開発者の堀越二郎はもうこの世にはなく、また、零戦に乗って戦い続けた人たちも多くは鬼籍に入っている。それにもかかわらず、零戦にまつわる映画や書籍が国民の注目を集めている。これほどまでに零戦が愛されている理由はどこにあるのか。零戦は日本人の優秀性を示す何よりの証拠であり、国民は口にこそ出さないものの、潜在的にその事実を感じている。「民族の誇りの結晶」であるからこそ、日本人は零戦を愛し続けているのである。

著者プロフィール

三野正洋(みの・まさひろ)
1942年、千葉県生まれ。日本大学卒業後、大手造船会社機関開発部を経て日本大学生産工学部准教授。現在は退職し、著述および知的財産の開発に従事。
著書には、『日本軍の小失敗の研究』(光人社)、『改善のススメ』(新潮社)、『坂井三郎と零戦』(PHP新書)、『イラスト大空のサムライ』『プロジェクト ゼロ戦』(ワック)など多数。

目次

まえがきに代えて
  • 平成の時代に到来した“零戦イヤー”
  • 零戦は日本人の優秀さを示す
序 章 なぜ零戦は生き続けるのか
  • 一万機以上生産された戦闘機
  • 零戦が海外で人気がある理由
  • 零戦の〝生涯〟と大日本帝国の盛衰
第1章 世界一の戦闘機誕生! ──技術者・堀越二郎の開発秘話
  • 軍部の要求は「ないものねだり」
  • 若き開発者にのしかかる重責
  • 一騎当千の若い技術者を集めた“堀越チーム”
  • 堀越を悩ませた軍内部の対立
  • 逆転の発想が「万能戦闘機」を生んだ
第2章 日本人が創った世界最強の技術
  • 「ZERO」と「SHINKANSEN」
  • 新しい切り口で分析する零戦の長所と短所
  • 実戦における零戦の光と影
  • 零戦が勝利できた最大の要因とは?
  • 忘れられた事実と繰り返される失敗
  • 日本海軍は自ら望んで不利な戦いを選択した
  • 戦術を変えるだけで強敵に対抗できる
  • 日本人にとって「はかなく美しく咲いた戦闘機」
第3章 日本と命運をともにした零戦
  • 圧倒的勝利を収めたデビュー戦
  • ポート・モレスビーへの殴りこみ攻撃
  • 長大な航続力が零戦最大の敵になった
  • 最後の大勝利はラバウル迎撃戦
  • ギルバート島上空の空中戦
  • マリアナ沖の悲劇
第4章 ドイツ空軍、もし零戦で戦わば
  • 歴史の「イフ」を楽しむ
  • 輸送はトルコ経由でドイツへ
  • “英国の戦い”を再開する
  • ここでも高性能が仇になる
第5章 日米技術文化の違いと海軍の失敗
  • 零戦一機の製造にどれだけの労力が必要か
  • 曲線の零戦、直線の米軍機
  • くろがね四起とジープ
  • 世界最先端の技術と牛車のギャップ
  • 見過ごされた零戦隊の大失敗
第6章 日本人の努力と魂を宿して
  • 技術者らしい技術者だった堀越二郎
  • 設計哲学は「欧米に負けない戦闘機をつくる」
  • 「搭乗員が扱いやすい戦闘機」を目指す
  • 経験の浅い操縦士を助ける構造
  • 不可能を可能にする原動力は純粋な「技術者魂」
終 章 零戦の改良と後継機の限界
  • デビューから最終型までほぼ同じ戦闘機だった零戦
  • 後継機“烈風”への評価
あとがき
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