
中国は今「世界第二位のGDP」を誇っているが、その実態は、強権による人工的秩序が瓦解しつつあり、社会は不安であふれている。中国共産党ナンバー1の習近平とナンバー2の李克強の対立が鮮明化し、タカ派の軍人・劉亜洲大将が自由化を叫ぶ始末! 外国企業は撤退し、政府高官たちは約60兆円のカネと共に海外逃亡。不動産バブルは瓦解し、シャドーバンキングの不良債権や地方政府の債務不履行など、問題は山積みだ。中国の2014年は「天気晴朗ならず、視界不明瞭、波高し」である。
著者プロフィール
宮崎正弘(みやざき・まさひろ)
評論家。1946年、石川県金沢市生まれ。早稲田大学中退。『日本学生新聞』編集長。月刊『浪曼』企画室長などを経て貿易会社を経営。1983年、『もう一つの資源戦争』(講談社)で論壇へ。以後、世界経済の裏側やワシントン、北京の内幕を描き、『ウォールストリートで読む日本』『ウォール街 凄腕の男たち』などの問題作を次々に発表してきた。近著に『中国バブル崩壊が始まった』(海竜社)、『現代中国「国盗り物語」』(小学館101新書)、『中国の「反日」で日本はよくなる』(徳間書店)、『2013年後期の「中国」を予測する』『出身地を知らなければ、中国人は分らない』(以上、ワック)など多数。
石 平(せき・へい)
評論家。1962年、中国四川省成都生まれ。北京大学哲学部卒業。四川大学哲学部講師を経て、1988年来日。1995年、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関に勤務ののち、評論活動へ。現在、中国、日中関係問題を中心に活発な執筆、講演活動を展開する。2007年末、日本に帰化する。近著に『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(PHP新書)、『中国はもう終わっている』(徳間書店)、『なぜ中国人はこんなに残酷になれるのか』(ビジネス社)、『2013年後期の「中国」を予測する』『私はなぜ「中国」を捨てたのか』(以上、ワック)など多数。
目次
まえがき 第1章 習近平路線VS李克強路線の矛盾が深刻化!- 公の場に突然、姿を現した胡錦濤、その意味するところは?
- 民心は習近平から離れた
- 一般の民衆までが警察に反抗するようになってきた
- 軍の大将の爆弾発言
- 毛沢東、鄧小平の猿真似をしたが、全然注目されなかった
- 李克強の「都市化」政策は、幽霊だけが歓迎
- 天安門広場に五トンのゴミを残して去った愛国者たち
- 「もう銀行ローンは払いません!」
- シャドーバンキングとは?
- 画餅だったリコノミクス
- 巨額の不良債権をゼロにする手口
- シャドーバンキング問題の背景にあるもの
- 「ローンを組んでいる人は九九パーセント破産します」
- 中国大陸から逃げ出す人とカネ
- GDPの一〇パーセント近いカネが消えた
- アジアで孤立を深める中国
- 「アメリカに戻って来てほしい」というフィリピン
- ミャンマーへの日本進出は遅れている
- 中国との直接外交を、日本はいま急ぐ必要はない
- アメリカは本音で、日本の集団的自衛権を認めている
- アフリカ、産油国のアンチ・チャイナ感情
- 蟻族が爆発するかもしれない
- 中国の若者はどんな生活を夢見ているか
- いま中国民衆の政治勢力は、民主派、改革派、そして毛沢東派
- クーデターをやろうとした薄煕来は潰された
- 中国政府は国民を騙すのは下手、外国人を騙すのは上手
- 中国人留学生の見上げる視線と見下げる視線
- 台湾独立はもう世論にならない
- 台湾政界はコップのなかの嵐
- 台湾制圧を口にしなくなった中国
- 習近平の暴走が政権の破滅を加速する
- 反日の賞味期限がそろそろ切れる
- オバマが呆れた習近平の言動
- 「このバカ」といわれた韓国大統領
- 安倍政権は中国のアキレス腱を握っている
- 消費税より原発再開が重要
- 中国の年金は「絵空事」
- 中国人は生きるのも大変、死ぬのも大変
- 習近平政権が環境問題に力を入れ始めた理由