国際情勢の激動の本質を見誤るな!
いま、中国と北朝鮮の体制解体・崩壊が着実に進んでいる。これはつまり、日本は東アジアの「冷戦」の終結に直面しているということだ。どのような政策の変更、路線の修正をしても、この流れを止めることは不可能である。そして朝鮮半島混乱で韓国も北朝鮮も最後に頼るのは日本しかない。アメリカはデトロイト市破綻や所得格差問題など、迷走しつつも経済は力強く、また、「中国崩壊」に着々と備えている。日本も、消費税増税の影響は小さく、安倍首相のトップセールスは「明日の成長」の種をまき、着実に日本経済は成長している。2015年、日本を取り巻く激動の世界状況の将来を長谷川慶太郎が予測する!
著者プロフィール
長谷川慶太郎(はせがわ・けいたろう)
国際エコノミスト。1927年、京都府生まれ。
大阪大学工学部卒業。新聞記者、証券アナリストを経て、1963年から評論活動を始める。以後、その優れた先見力と分析力で、つねに第一線ジャーナリストの地位を保つ。1983年、『世界が日本を見倣う日』(東洋経済新報社)で第3回石橋湛山賞受賞。近著に『朝鮮崩壊』(実業之日本社)、『平和ボケした日本人のための戦争論』(ビジネス社)、『中国崩壊前夜』(東洋経済新報社)など多数がある。
目次
- まえがき
第一章 日本経済は着実に成長する
- 二〇一四年第1四半期は高成長を達成した
- 消費税増税の影響は小さい
- 人手不足は何を意味するか
- 非正規雇用の時給が高騰する理由
- 人手を確保するには正社員化が必要だ
- 建設業界で求められるロボットの導入
- 正社員の賃上げと新卒採用市場の好転
- 都心でオフィスが足りなくなっている
- アベノミクスと円安の仕組み
- 二〇二〇年の東京オリンピックがもたらす特需は全国規模ではない
- 「明日の成長」の種をまく安倍首相のトップセールス
- シェールガス革命の追い風が日本に吹いている
- アメリカの交通インフラ整備は日本企業のマーケット
第二章 迷走してもアメリカは強い
- 異常な豪雪でアメリカ経済がマイナス成長に陥った
- アメリカの底力
- 世界最大の農業国に宿った光と影
- アメリカの穀物生産を支える農民の素顔
- シェールガス革命でも原子力発電不要という発想は出ない
- 素材産業は輸出競争力を高める
- シェールガス革命を導いた二つの力
- 金融機関の復調と情報関連産業の盛衰
- 「努力して稼がない人間のたかりを許さない」
- 自由の女神像が閉鎖された日
- ティーパーティがオバマ大統領をレイムダックに追い込んだ
- アメリカと日本とでは民主主義のシステムが違う
- 中間選挙の結果次第でTPPは水泡に帰す
- 中間選挙の影響があっても経済は強い
- 所得の格差がどれほどの問題なのか
第三章 「中国崩壊」も備えあれば憂いなし
- 中国の経済危機は世界の経済人の常識
- 資金繰りの悪化で民間企業が倒産している
- シャドーバンキングの破綻を政府は容認した
- 正規の銀行になるか、バンキングをやめるか
- 人件費高騰と山猫ストで外資が中国から引き揚げる
- 富の流出と人民元の下落に歯止めがかからない
- 中国で一番深刻なのは環境汚染問題だ
- 中央政府が知らないところで大規模プロジェクトが立ち上がった
- 経済成長を犠牲にしなければならない中国の現実
- 改革開放路線とは「対立関係」にある人民解放軍
- 東海艦隊と南海艦隊は共同演習ができない
- 実績を挙げたくてトラブルを起こす南海艦隊
- 中国が解体したあとは、七大軍区に分かれる
- 中国の崩壊に着々と備えるアメリカ
- 日本の集団的自衛権も中国の崩壊を念頭に置いたもの
第四章 朝鮮半島統一と茨の道
- 張成民の粛清は何をアピールしたものなのか
- シャドーバンキング問題を使って習近平は軍を抑え込んだ
- 中国から北朝鮮に入る物資が減っている
- 日本人拉致問題は早い時期に解決する
- 朴槿惠大統領は反日式典で、「日本」という単語を使わなかった
- 韓国の「七十日計画」は日本の援助なくして実施できない
- なぜ、韓国は中国を頼ろうとするのか
- すべてにおいて韓国経済は底が浅い
- 韓国が最後に頼るのは日本しかない
- 勝者が最大の戦利品を手放すとき
第五章 EU、ロシア、そして中東
- 少し持ち直したEU経済だが、フランスは厳しい
- 強いマルクを捨てて身軽になったドイツ
- ロシアはEUと対立しているようだが、ドイツとは連携している
- ロシアは本音ではアメリカの投資に期待している
- 経済制裁は緩やかでもじわじわ効いてくる
- 新興国の時代は終わった
- イスラム世界の対立構造は解消しない
終 章 二〇一五年、日本の課題
- 成長戦略の鍵は、法人減税と経済特区にある
- 二〇一八年の実用化を目指すメタンハイドレート
- 百万キロワット級の原子炉は日本企業を抜きにして製造できない
- 世界に冠たる日本の火力発電技術
- TPPをきっかけに農政改革、農業の再生が始まった
- 女性が働くことで新しいマーケットが誕生する
- 経済面よりも深刻な中国崩壊の問題とは
- 政治家が資質と能力を問われる時代