日韓関係の新しいソリューション
「無韓心」のすすめ
「無韓心」のすすめ
あくことなき韓国の反日的言動、それに呼応する日本の〝嫌韓ムード″の高まり。これは、一般国民全般に見られる現象だ。特に出版界を中心に、「悪韓論」「呆韓論」「恥韓論」などの言葉が流行し、その手の書籍がベストセラーとなって、まさに、泥沼の様相を呈しているといっても過言ではない。
本書は、嫌韓感情の中に潜む日本人の心性をつまびらかにし、同時に、日韓関係の根幹部分を歴史的事実の中に探りながら、「日本にとっての韓国とは何か」を明らかにする。
結論として、歴史の中でつねにメインプレイヤーであり続ける日本にとって、韓国の存在は、取るに足るほどのものではないから、今後、日本が韓国に対して、「無関心=無韓心」であることが、両国の為であるとする。日韓関係の二十一世紀型ソリューション・「無韓心」のすすめ!
著者プロフィール
古谷経衡(ふるや・つねひら)
評論家、著述家。1982年、北海道札幌市生まれ。
立命館大学文学部史学科卒業。インターネットと保守、マスコミ問題、アニメ批評などのテーマで評論、執筆活動を行なっている。著書に『若者は本当に右傾化しているのか』(アスペクト)、『反日メディアの正体』(KKベストセラーズ)、『ネット右翼の逆襲』『クールジャパンの嘘』(総和社)、『ヘイトスピーチとネット右翼』(オークラ出版、共著)などがある。
目次
第1章 ポケットの中の韓国
- 私の五泊六日の渡韓体験
- 「三時間以内」におさまってしまう「ポケット国家」
- 日本は本当に「小さな島国」なのか?
- 反日を絶え間なくやっている「変人」から、ごく普通の人たちへ
- 特別に優れた先進国ではないが、劣った後進国でもない
- 「韓国」に一々反応するのは、もういい加減、止めにしよう
第2章 韓国、反日の源泉
- 韓国の反日は、「冷戦後に特有なもの」
- 日本統治時代に形成された朝鮮の「中産階級」
- 朴正熙の日本統治時代の肯定的評価は、一般的な感覚だった
- 冷戦期に「反共」という共通利害で結びついた日本と韓国
- 冷戦崩壊とともに第一線からリタイヤした「統治時代世代」
- 「反共」から「容共」「反日」へ
- 「竹島密約」のリアリティ
- 全面撤去された朝鮮総督府
- 「日韓基本条約」を根底から否定する前代未聞の判決
- 二つの要素の二乗作用で韓国の反日は爆発した
- 福沢諭吉の「脱亜論」は、朝鮮への過度の期待の裏返し
- 「無韓心」は「脱亜論」に代わる二十一世紀のソリューション
第3章 我々は何を警戒し、誰と戦うべきか
- 「準戦時下」の雰囲気といってよいほどのきな臭さ
- 中国の軍事予算はすでに日本の三倍以上
- 軍事力に限ってみれば、「G2」の世界もあながち空想ではない
- 中国の内外を驚かせた「海洋強国」への意思表示
- 東アジアの海軍バランスを一変させる四隻の空母建造
- 「第四世代戦闘機」の配備を加速度的に推し進める中国
- 世界のメディアは中国軍の一挙手一投足に注意を向けている
- 中国への関心がなければ、「中国は嫌い」の感情も生まれない
- 韓国は認知されていないから、「好きでも嫌いでもない」になる
- 「コリア・ディスカウント」
- 「メイド・イン・コリア」の売り込みに日本のブランドイメージを利用する
- 「先進国」の評価にはほど遠い韓国
- 肝心なのは、「嫌韓」の先にある「無韓心」
第4章 無韓心のすすめ
- 「嫌韓」は、明らかに曲がり角を迎えている
- 「嫌い」の感情は、対象者への強烈な関心と表裏一体
- 「うつろ舟」の漂着と「異国船打ち払い令」
- 清国はなぜ近代化に遅れたのか
- 「嫌韓」を唱えている限り、「韓国」の呪縛から永遠に脱却できない
- 「もしかして、韓国のことが好きなんじゃないんですか?」
- 「竹島不法上陸」が日本人に与えた「心理的ショック」
- 二〇〇四年から二〇一一年までの「韓流ブーム」がなかったら
- 「嫌韓」に仮託した「アンチ・マスメディア運動」
- 朝鮮半島は日本の「主権線」
- 戦後日本の韓国支援は、「掛け捨ての保険」と同じようなもの
- 戦後、韓国は日本にとって「反共の防波堤」
- 高齢の保守層には、韓国に対する愛着がある
- 「主権線」理論は意味を失くした
第5章 インターネットの中で肥大化する韓国
- 「韓国肥大視論」三つの類型
- 「一兆六千億円を日本企業に投資して、韓流ブームを捏造している」
- 「韓国国家ブランド委員会」と「韓国コンテンツ振興院」
- 「マスメディアの中にいる在日朝鮮人や韓国人の手引き」という俗説
- 「電通が民放各局に韓流スターをもぐりこませた」という嘘
- 「在日帰化人」と「朝鮮飲み」というネガティブ・キャンペーン
- 出鱈目だらけの“在日特権論”
- 「韓国肥大視論」は、じつにナンセンスな感覚だ
- 「嫌韓本」売れ行き好調の原因は、大手マスメディアにある
- 「嫌い」を標榜しながら、「構わずにはいられない」
- 絶望的に小さな存在にまで後退してしまう韓国
- 日本は韓国に対し、一貫して無関心=無韓心を貫き通すべき
- 「異形の大国」に隣接する国家としての構え
- 「無関心」は実に大切な関係
終 章 世界史の中のメインプレイヤーで
あり続ける大国・日本
- 「深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いているのだ」
- 「嫌韓」の背景にある「日本観の不在」
- 「中国は早晩崩壊する」はあまりにも楽観的