激突! 裁判員制度

井上薫(弁護士・元裁判官)/門田隆将(ジャーナリスト) 著
定 価:
本体1238円+税
判 型:
四六版並製
ページ数:
280ページ
ISBN:
9784898311318
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ジャーナリストvs裁判官
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戦後初めて国民が司法参加する歴史的な大変革「裁判員制度」。国民の最大の関心事である、「この制度は本当に必要なのか、もし必要ならばなぜ?」という疑問にズバリ答える本書。「江東区神隠し殺人判決」「光市母子殺害裁判」「福岡飲酒運転3児死亡事故判決」「高知白バイ事故裁判」……等々、個別の裁判に言及し、日本の裁判の現状をひもときながら、わかりやすく裁判員制度について論じる。裁判員も必読! の一冊。

著者プロフィール

井上薫(いのうえ・かおる)
弁護士。1954年、東京生まれ。東京大学理学部化学科卒、同修士課程修了。判事補、判事を経て2006年横浜地裁判事を最後に退官。裁判官時代に「蛇足判決理論」を唱え、裁判の合理化を追求した異色の存在。2007年弁護士登録(東京弁護士会)。著書に『裁判官が見た光市母子殺害事件』(文藝春秋)、『市民のための裁判入門』(PHP新書)など。

門田隆将(かどた・りゅうしょう)
ジャーナリスト。1958年、高知県生まれ。中央大学法学部卒。雑誌メディアを中心に、幅広いジャンルで活躍中。日本の司法制度の問題について、長年にわたり精力的な執筆活動を行う。2008年には、光市母子殺害事件の9年間の軌跡を追った『なぜ君は絶望と闘えたのか─本村洋の3300日』(新潮社)を上梓。他に『裁判官が日本を滅ぼす』(新潮文庫)『神宮の軌跡』『甲子園への遺言』(以上、講談社)などがある。

目次

第1章 裁判員制度「是」か「非」か 21
井上「裁判員制度には多くの疑義がある」
法律の素人に裁判できるか 22
裁判官にとって大きなショックだった 25
被告人にツケがまわされる 27
門田「裁判員制度は〝巨大爆弾〟」
法曹関係者の反対こそ、制度が必要な証拠 29
自分たちの「職場」を簡単には明け渡さない 31
裁判官という〝不遜な人〟たち 33
井上「ウソにウソを重ねて……」
「裁判官による丁寧な説明」という矛盾 36
最高裁が平然とウソを 38
第2章 裁判員制度の致命的欠陥とは 41
井上「被告人の人権が危ない」
裁判は三日じゃ終わらない 42
腐乱死体の証拠写真を見られるか 44
あなたが被告人だったら? 47
門田「冤罪は、むしろ減る」
日本では刑事裁判の九九%が有罪 49
今でもある不当捜査 51
井上「官僚裁判官の支配は変わらない」
参考資料は裁判官が選定 54
自主規制に動く新聞・テレビ 55
門田「危機に立つ裁判報道」
事件報道から閉め出される国民 58
「知る権利」が無視される 60
井上「素人に事実認定はできるのか」
日常生活で行っていることと同じ? 62
裁判の問題点は〝闇〟に消える 63
門田「高知白バイ事故の場合」
「事実認定」できない官僚裁判官 65
スクールバスは停まっていたのか、動いていたのか 66
県警を負けさせるわけにはいかない 70
市民には〝しがらみ〟がない 72
第3章 「フツーの人」が裁く意義 75
門田「常識を欠く裁判」
〝犯人が消えた〟山形マット死事件民事裁判 76
職業裁判官の〝常識〟とは 79
井上「世間からずれていくエリート集団」
「裁判官は貴族なんだよ」 81
一次不等式ができなかった裁判官 83
門田「特権意識と選民思想」
人を裁く〝怖さ〟こそ重要 86
井上「最大の関心事は〝出世〟」
出世コースの終着駅 88
行政機関を負けさせる勇気はない 90
〝既済件数〟が多いと「今月は黒字」 91
「判決を何で書かないんだ!」 93
門田「〝ヒラメ裁判官〟はアトを断たない」
裁判は〝栄達の手段〟 95
「認定で賄う」の意味 96
井上「裁判官は〝最高裁絶対教〟の信者」
「どっちでもいい」という自覚のなさ 98
〝信者〟が裁判官で、〝バイブル〟が判例集 99
門田「福岡飲酒運転三児死亡判決が示すもの」
救助を放棄して逃亡した犯人 102
〝酩酊状態〟がわからない裁判官 105
井上「裁判官にとって〝前例〟とは何か」
「法律に基づく裁判」から考えると…… 108
前例を探し出すことが、仕事のすべて 109
「前例主義」への痛烈な批判 111
新しいことにはチャレンジしない 112
第4章 裁判官のおかしな生活 117
司法修習生へのリクルート 118
緊張するマスコミや支援者がいる裁判 121
法服に袖を通した時「保身」が始まる 123
裁判官の生活とは? 125
地方裁判所に赴任すると〝何でも屋〟に 127
向こう側が見えないほどの山積み資料 129
入浴中にも令状発付 131
「行ってはいけない」飲み屋のリスト 133
地方では書記官・事務官が〝事情通〟 135
免許があっても運転せず 138
法廷では「肩書き」と「見た目」が大事 140
県外へ行くのも許可制だった 143
修習生の頃から舞い込む見合い話 147
女性裁判官増加で性犯罪が重罰化 149
女遊びをしてこなかった弊害 150
裁判官を知らずして対峙はできない
第1章 裁判員制度「是」か「非」か
  • 井上「裁判員制度には多くの疑義がある」
  • 法律の素人に裁判できるか
  • 裁判官にとって大きなショックだった
  • 被告人にツケがまわされる
  • 門田「裁判員制度は〝巨大爆弾〟」
  • 法曹関係者の反対こそ、制度が必要な証拠
  • 自分たちの「職場」を簡単には明け渡さない
  • 裁判官という〝不遜な人〟たち
  • 井上「ウソにウソを重ねて……」
  • 「裁判官による丁寧な説明」という矛盾
  • 最高裁が平然とウソを
第2章 裁判員制度の致命的欠陥とは
  • 井上「被告人の人権が危ない」
  • 裁判は三日じゃ終わらない
  • 腐乱死体の証拠写真を見られるか
  • あなたが被告人だったら?
  • 門田「冤罪は、むしろ減る」
  • 日本では刑事裁判の九九%が有罪
  • 今でもある不当捜査
  • 井上「官僚裁判官の支配は変わらない」
  • 参考資料は裁判官が選定
  • 自主規制に動く新聞・テレビ
  • 門田「危機に立つ裁判報道」
  • 事件報道から閉め出される国民
  • 「知る権利」が無視される
  • 井上「素人に事実認定はできるのか」
  • 日常生活で行っていることと同じ?
  • 裁判の問題点は〝闇〟に消える
  • 門田「高知白バイ事故の場合」
  • 「事実認定」できない官僚裁判官
  • スクールバスは停まっていたのか、動いていたのか
  • 県警を負けさせるわけにはいかない
  • 市民には〝しがらみ〟がない
第3章 「フツーの人」が裁く意義
  • 門田「常識を欠く裁判」
  • 〝犯人が消えた〟山形マット死事件民事裁判
  • 職業裁判官の〝常識〟とは
  • 井上「世間からずれていくエリート集団」
  • 「裁判官は貴族なんだよ」
  • 一次不等式ができなかった裁判官
  • 門田「特権意識と選民思想」
  • 人を裁く〝怖さ〟こそ重要
  • 井上「最大の関心事は〝出世〟」
  • 出世コースの終着駅
  • 行政機関を負けさせる勇気はない
  • 〝既済件数〟が多いと「今月は黒字」
  • 「判決を何で書かないんだ!」
  • 門田「〝ヒラメ裁判官〟はアトを断たない」
  • 裁判は〝栄達の手段〟
  • 「認定で賄う」の意味
  • 井上「裁判官は〝最高裁絶対教〟の信者」
  • 「どっちでもいい」という自覚のなさ
  • 〝信者〟が裁判官で、〝バイブル〟が判例集
  • 門田「福岡飲酒運転三児死亡判決が示すもの」
  • 救助を放棄して逃亡した犯人
  • 〝酩酊状態〟がわからない裁判官
  • 井上「裁判官にとって〝前例〟とは何か」
  • 「法律に基づく裁判」から考えると……
  • 前例を探し出すことが、仕事のすべて
  • 「前例主義」への痛烈な批判
  • 新しいことにはチャレンジしない
第4章 裁判官のおかしな生活
  • 司法修習生へのリクルート
  • 緊張するマスコミや支援者がいる裁判
  • 法服に袖を通した時「保身」が始まる
  • 裁判官の生活とは?
  • 地方裁判所に赴任すると〝何でも屋〟に
  • 向こう側が見えないほどの山積み資料
  • 入浴中にも令状発付
  • 「行ってはいけない」飲み屋のリスト
  • 地方では書記官・事務官が〝事情通〟
  • 免許があっても運転せず
  • 法廷では「肩書き」と「見た目」が大事
  • 県外へ行くのも許可制だった
  • 修習生の頃から舞い込む見合い話
  • 女性裁判官増加で性犯罪が重罰化
  • 女遊びをしてこなかった弊害
  • 裁判官を知らずして対峙はできない
第5章 光市母子殺害事件が裁判員制度で裁かれたら……155
井上「無視された被害者遺族」
公判期日さえ知らされなかった 156
犯人の顔すら見られない可能性 158
門田「法廷の神様がそこにはいた」
遺族であろうと単なる傍聴人 159
「公僕」の意識はゼロ 160
井上「人事評価ですべてを決める」
上訴を避けたいがために〝甘い判決〟 162
法廷は被告人の「一人舞台」でなくなった 165
門田「法廷で憲法さえ踏みにじる姿」
最高裁が認めたレペタ氏の訴え 167
九年かかった「死刑」が一審で出る? 169
井上「配られる資料が結果を分ける」
「相場表を絶対に配ってはいけない」 171
最高裁だからこそ相場主義から離れられた 172
門田「毅然として跳ね返せ」
裁判官の誘導に「ノー」を 174
「私が殺す」発言の波紋 175
井上「荒唐無稽な弁護団の主張」
問題多い弁護方針 177
門田「法律家としてのフィルター」
犯罪を〝他人事〟にしない「国民の叫び」 179
裁判員となる国民に求められるもの 180
井上「再審をにらんだ主張か」
再審申請中は「死刑執行されない?」 182
第6章 国民は裁判員に耐えられるか 185
井上「あまりに過重な裁判員の負担」
裁判員は本当に判決できるのか? 186
「日当一万円」で一生負う責任と義務 188
門田「制度的欠陥をどうするか」
すべての根源は裁判官の〝驕り〟と〝思いあがり〟 190
「理解してもらわなければいけない」裁判へ 192
井上「逆に国民をバカにしている」
多数側に裁判官がいる必要 196
門田「正義の意味とは」
リンチ殺人犯による名誉毀損の訴え 198
十九歳通り魔犯の〝権利〟 201
〝人の生命〟よりも〝人格権〟が大事 204
「記事は社会の正当な関心事である」 206
国民が司法を正す 207
第7章 トンデモ判決は根絶できるのか 209
門田「形骸化裁判との訣別」
〝セレモニー〟と化した日本の裁判 210
司法はとっくに崩壊 212
井上「何をもってトンデモ判決とするか」
「公訴事実」は事実でない 213
〝直感〟で被告人が裁かれる恐れ 215
門田「裁判官の〝万能感〟」
「自分は何でもできる」 218
〝現実検討能力〟と〝事実認定力〟の関係 221
井上「恐ろしい〝基準なき裁判〟」
常識は人の数だけある 223
門田「江東区〝神隠し殺人〟判決で何がわかったか」
再び「相場主義」へ 226
法廷で暴かれた〝鬼畜の所業〟 227
「残虐極まりないとまで言えない」 229
星島はなぜ自ら「死刑」を望んだか 231
井上「駆逐されなければならない相場主義」
「新しい勇気」を失わせる〝神隠し殺人判決〟 233
第8章 日本の裁判はどこへ行くのか 235
門田「裁判官にあらずんば人にあらず」
遺族を怒鳴りつけた裁判長 236
「過渡的なもの」として利用すべき 239
井上「直球と変化球の違い」
「えいやーっ」と死刑判決 241
日本国憲法のパロディー化 242
門田「国民はそこまで愚かではない」
官僚裁判官は憲法を軽視しつづけてきた 244
公権力こそ絶対 245
『週刊文春』出版を差し止めたわずか五十分の審尋 247
井上「江戸時代の入札裁判と同じ」
憲法を軽視する由々しき風潮 250
真相解明は二の次に 251
裁判員制度は「民主主義による正当化」 252
門田「法が何たるかを知りうる質の高い法曹を」
法曹三者による裁判官構成も 254
「法律バカばかりではダメ」 255
井上「法曹資格を問わない人たち」
より裁判官に適している?
第5章 光市母子殺害事件が裁判員制度で裁かれたら……
  • 井上「無視された被害者遺族」
  • 公判期日さえ知らされなかった
  • 犯人の顔すら見られない可能性
  • 門田「法廷の神様がそこにはいた」
  • 遺族であろうと単なる傍聴人
  • 「公僕」の意識はゼロ
  • 井上「人事評価ですべてを決める」
  • 上訴を避けたいがために〝甘い判決〟
  • 法廷は被告人の「一人舞台」でなくなった
  • 門田「法廷で憲法さえ踏みにじる姿」
  • 最高裁が認めたレペタ氏の訴え
  • 九年かかった「死刑」が一審で出る?
  • 井上「配られる資料が結果を分ける」
  • 「相場表を絶対に配ってはいけない」
  • 最高裁だからこそ相場主義から離れられた
  • 門田「毅然として跳ね返せ」
  • 裁判官の誘導に「ノー」を
  • 「私が殺す」発言の波紋
  • 井上「荒唐無稽な弁護団の主張」
  • 問題多い弁護方針
  • 門田「法律家としてのフィルター」
  • 犯罪を〝他人事〟にしない「国民の叫び」
  • 裁判員となる国民に求められるもの
  • 井上「再審をにらんだ主張か」
  • 再審申請中は「死刑執行されない?」
第6章 国民は裁判員に耐えられるか
  • 井上「あまりに過重な裁判員の負担」
  • 裁判員は本当に判決できるのか?
  • 「日当一万円」で一生負う責任と義務
  • 門田「制度的欠陥をどうするか」
  • すべての根源は裁判官の〝驕り〟と〝思いあがり〟
  • 「理解してもらわなければいけない」裁判へ
  • 井上「逆に国民をバカにしている」
  • 多数側に裁判官がいる必要
  • 門田「正義の意味とは」
  • リンチ殺人犯による名誉毀損の訴え
  • 十九歳通り魔犯の〝権利〟
  • 〝人の生命〟よりも〝人格権〟が大事
  • 「記事は社会の正当な関心事である」
  • 国民が司法を正す
第7章 トンデモ判決は根絶できるのか
  • 門田「形骸化裁判との訣別」
  • 〝セレモニー〟と化した日本の裁判
  • 司法はとっくに崩壊
  • 井上「何をもってトンデモ判決とするか」
  • 「公訴事実」は事実でない
  • 〝直感〟で被告人が裁かれる恐れ
  • 門田「裁判官の〝万能感〟」
  • 「自分は何でもできる」
  • 〝現実検討能力〟と〝事実認定力〟の関係
  • 井上「恐ろしい〝基準なき裁判〟」
  • 常識は人の数だけある
  • 門田「江東区〝神隠し殺人〟判決で何がわかったか」
  • 再び「相場主義」へ
  • 法廷で暴かれた〝鬼畜の所業〟
  • 「残虐極まりないとまで言えない」
  • 星島はなぜ自ら「死刑」を望んだか
  • 井上「駆逐されなければならない相場主義」
  • 「新しい勇気」を失わせる〝神隠し殺人判決〟
第8章 日本の裁判はどこへ行くのか
  • 門田「裁判官にあらずんば人にあらず」
  • 遺族を怒鳴りつけた裁判長
  • 「過渡的なもの」として利用すべき
  • 井上「直球と変化球の違い」
  • 「えいやーっ」と死刑判決
  • 日本国憲法のパロディー化
  • 門田「国民はそこまで愚かではない」
  • 官僚裁判官は憲法を軽視しつづけてきた
  • 公権力こそ絶対
  • 『週刊文春』出版を差し止めたわずか五十分の審尋
  • 井上「江戸時代の入札裁判と同じ」
  • 憲法を軽視する由々しき風潮
  • 真相解明は二の次に
  • 裁判員制度は「民主主義による正当化」
  • 門田「法が何たるかを知りうる質の高い法曹を」
  • 法曹三者による裁判官構成も
  • 「法律バカばかりではダメ」
  • 井上「法曹資格を問わない人たち」
  • より裁判官に適している?
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