日本陸軍 失敗の連鎖の研究

ノモンハン事件

三野正洋(作家)/大山正(団体職員) 著
定 価:
本体1800円+税
判 型:
四六版上製
ページ数:
320ページ
ISBN:
9784898310267
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「小さくまとまる」失敗を
“最悪の戦争”で徹底検証する!

帝国陸軍が経験した“最悪の戦争”ノモンハン事件には、惨敗すべき要因が存在した! 「日本人が持つ矮性が失敗を生んだ」という斬新な視点から、戦略・兵器・指揮官すべてを検証。その後の太平洋戦争、そして現代においても繰り返される失敗の原因を解き明かす。

著者プロフィール

三野正洋(みの・まさひろ)
1942年、千葉県生まれ。前日本大学准教授。戦史、戦略戦術論、兵器の比較研究に独自の領域を拓いて知られる軍事・現代史研究の碩学。著書に、現代戦争史シリーズ『日中戦争』同『アフガニスタン戦争』(以上、光人社)、『図解 これならわかる! 太平洋戦争』(PHP研究所)、『湾岸戦争 勝者の誤算』『戦艦大和の真実』『指揮官の決断』『図解 日本軍の小失敗の研究』(以上、ワック出版)など多数ある。

大山正(おおやま・ただし)
1973年東京都生まれ。日本大学法学部卒業。現在、団体職員として勤務の傍ら、近現代史・戦史の研究に取り組む。

目次

第1章 日本陸軍をめぐる環境
激動の世界情勢
日本の状況/ロシアの状況/ヨーロッパの状況
国境線をめぐる緊張関係
日本軍とソ連軍の戦力比較
教訓化されなかった張鼓峰事件
ノモンハン事件の舞台
呼称/戦闘の期間/戦場となった地域について
第2章 ノモンハン事件とは何か
第一次ノモンハン事件
外蒙古軍と満州国軍の衝突(五月十一日〜十七日)
非現実な日本の包囲攻撃(五月二十一日〜三十日)
第二次ノモンハン事件
泥沼化する戦局(六月十九日〜七月二十五日)
ソ連軍の大反撃(八月二十日〜二十九日)
外交交渉と停戦
損害から見る戦闘の結果
上層部の責任逃れと自決の強要
時代の〝常識〟だった派兵
第3章 戦略・戦術・思想をめぐる失敗
情報収集を軽視
教訓を活かす決断力、実行力のなさ
兵士の体調に無関心な上層部
「敵、退却ノ兆シアリ」という悪癖
情報伝達を怠ったツケ
後方支援態勢の不備
戦術の研究・訓練の不足
自己の過大評価
懲りない三連敗/無謀な関東軍特別大演習
第4章 軍人の資質をめぐる失敗
『井の中の蛙、大海を知らず』
板垣征四郎  陸軍大臣  大将/荻洲立兵  第六軍司令官  中将/辻政信   関東軍参謀 少佐/植田謙吉  関東軍司令官  大将/その他の無能な人々
失敗を闇に葬る自決の強要
〝矮性〟の呪縛
第5章 機甲戦をめぐる失敗
弱体な日本の機甲部隊
日本の戦車連隊はソ連の戦車大隊
ソ連の軽戦車に劣る中戦車
ピアノ線を研究しない不思議
第1章 日本陸軍をめぐる環境
  • 激動の世界情勢
  • 日本の状況/ロシアの状況/ヨーロッパの状況
  • 国境線をめぐる緊張関係
  • 日本軍とソ連軍の戦力比較
  • 教訓化されなかった張鼓峰事件
  • ノモンハン事件の舞台
  • 呼称/戦闘の期間/戦場となった地域について
第2章 ノモンハン事件とは何か
  • 第一次ノモンハン事件
  • 外蒙古軍と満州国軍の衝突(五月十一日〜十七日)
  • 非現実な日本の包囲攻撃(五月二十一日〜三十日)
  • 第二次ノモンハン事件
  • 泥沼化する戦局(六月十九日〜七月二十五日)
  • ソ連軍の大反撃(八月二十日〜二十九日)
  • 外交交渉と停戦
  • 損害から見る戦闘の結果
  • 上層部の責任逃れと自決の強要
  • 時代の〝常識〟だった派兵
第3章 戦略・戦術・思想をめぐる失敗
  • 情報収集を軽視
  • 教訓を活かす決断力、実行力のなさ
  • 兵士の体調に無関心な上層部
  • 「敵、退却ノ兆シアリ」という悪癖
  • 情報伝達を怠ったツケ
  • 後方支援態勢の不備
  • 戦術の研究・訓練の不足
  • 自己の過大評価
  • 懲りない三連敗/無謀な関東軍特別大演習
第4章 軍人の資質をめぐる失敗
  • 『井の中の蛙、大海を知らず』
  • 板垣征四郎  陸軍大臣  大将/荻洲立兵  第六軍司令官  中将/辻政信   関東軍参謀 少佐/植田謙吉  関東軍司令官  大将/その他の無能な人々
  • 失敗を闇に葬る自決の強要
  • 〝矮性〟の呪縛
第5章 機甲戦をめぐる失敗
  • 弱体な日本の機甲部隊
  • 日本の戦車連隊はソ連の戦車大隊
  • ソ連の軽戦車に劣る中戦車
  • ピアノ線を研究しない不思議
第6章 砲撃戦をめぐる失敗
すべての面で劣っていた火力
中砲を重砲に区分した愚
信頼性を欠く主力の重砲
時代遅れの移動方法
同じ口径でも劣る対戦車砲
威力、射程の差による当然の敗北
第7章 航空戦をめぐる失敗
優勢だった大空の戦い
〝交代制〟の概念の欠如
改善の遅延
戦術を変えない日本軍
皆無だった地上支援の発想
爆弾を積めない戦闘機
機関銃は二十年前のレベル
地上攻撃機なしの戦闘
爆撃隊の撤退は近代戦の諦め
過大な戦果の水増し
第8章 〝矮性〟による失敗
白兵主義は 機械化 の放棄
〝矮性〟の理由
第9章 今も続く「失敗の連鎖」
[太平洋戦争]
ガダルカナル戦にも活かされなかった教訓
〝餓島〟の消耗戦/敵情の見誤り/敵軍の過小評価と自軍の過大評価/敗れるべく
して敗れた兵力の差/同じ参謀による同じ失敗の繰り返し
[現代]
シドニー・オリンピックにおける日本野球の惨敗
目的の不明確性/上部組織の意見の不一致/急造かつプロ・アマ混成のチーム/
情報の不足/工夫なく戦い続けた日本チーム
第6章 砲撃戦をめぐる失敗
  • すべての面で劣っていた火力
  • 中砲を重砲に区分した愚
  • 信頼性を欠く主力の重砲
  • 時代遅れの移動方法
  • 同じ口径でも劣る対戦車砲
  • 威力、射程の差による当然の敗北
第7章 航空戦をめぐる失敗
  • 優勢だった大空の戦い
  • 〝交代制〟の概念の欠如
  • 改善の遅延
  • 戦術を変えない日本軍
  • 皆無だった地上支援の発想
  • 爆弾を積めない戦闘機
  • 機関銃は二十年前のレベル
  • 地上攻撃機なしの戦闘
  • 爆撃隊の撤退は近代戦の諦め
  • 過大な戦果の水増し
第8章 〝矮性〟による失敗
  • 白兵主義は 機械化 の放棄
  • 〝矮性〟の理由
第9章 今も続く「失敗の連鎖」
  • [太平洋戦争]
  • ガダルカナル戦にも活かされなかった教訓
  • 〝餓島〟の消耗戦/敵情の見誤り/敵軍の過小評価と自軍の過大評価/敗れるべく
  • して敗れた兵力の差/同じ参謀による同じ失敗の繰り返し
  • [現代]
  • シドニー・オリンピックにおける日本野球の惨敗
  • 目的の不明確性/上部組織の意見の不一致/急造かつプロ・アマ混成のチーム/
  • 情報の不足/工夫なく戦い続けた日本チーム
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