EU・アメリカ・中国、そして日本はどうなるのか?
2013年は金融大津波が世界を洗い、大変動が起こる。アメリカでは下層階級が反乱する可能性があり、ツケを先送りにしてきたヨーロッパは没落する。ヨーロッパの不景気の波は新興国まで広がり、世界恐慌の様相を呈する。そのとき、日本と世界の関係はどうなるのか? 日本は欧米主導に続く新しい時代を発想し、自ら実行すべき立場に立った。自国の名誉を守るための自己鍛錬から、広く世界のためにする戦いに切り換えねばならない。世界の、日本に対する期待は大きい。その期待に応えるために、日本は何をすべきか。全ての答えが本書にある!
著者プロフィール
日下公人(くさか・きみんど)
評論家。日本財団特別顧問。社会貢献支援財団会長。三谷産業株式会社監査役。日本ラッド株式会社監査役。1930年、兵庫県生まれ。東京大学経済学部卒業。日本長期信用銀行取締役、(社)ソフト化経済センター理事長を経て東京財団会長を務める。ソフト化・サービス化の時代をいち早く先見し、日本経済の名ナビゲーターとして活躍。未来予測の正確なことには定評がある。著書に『アメリカはどれほどひどい国か』(PHP研究所)、『自主防衛を急げ!』『日本既成権力者の崩壊』(李白社)、『つくられた「環境問題」』『アメリカ、中国、そして日本経済はこうなる』『2012年〜日本と世界はこうなる』『それでも、日本が一人勝ち!』(ワック)など多数がある。
目次
まえがき- 民主主義国家は福祉予算で破産する
- 社会主義体制は七十年続けばいいところ
- 「ソ連崩壊の原因は日本の省エネ技術だ」
- キリスト教対理性万能主義の闘いも終わる
- 理性万能や民主主義万能の限界がくる
- 日本人には「徳」がある
- もう政治は不要になったのか
- 先進国では既成エリートの敵前逃亡がはじまる
- 日本のような国には外交問題が周りから迫ってくる
- 不景気の波はヨーロッパから新興国にも広がる
- 貧乏世界の万華鏡が広がる
- 金融大津波の予感
- 財政出動は目先の緊急対策
- アメリカは下層階級の反乱か、革命が起こる可能性がある
- アメリカはもはや白人の国ではなくなっている
- アメリカはいま曲がり角
- 中国が先進国になるには、まだまだ壁がある
- 中国の根底はまだ古代
- 公安費(公共安全費)と軍事費がほとんど同額になった
- 人民元はこれから下がる
- 中国は汚職の経済と正常な経済が混在する二重経済
- できれば日本は中国とはつき合わないのが一番いい
- 信用補完機関とは?
- 「欧州金融安定基金」も単なる張りぼて
- 信用補完に国家が乗り出してきた
- 保険料が高いか安いかは博打と同じ
- 役人は保険の仕組みを分っていない
- 役人は手金を使わずに税金を使うから無責任
- 官庁は民間の商売が大好き
- 日本の官僚はなぜ天下りをするのか
- 金融のもとは信用である
- いままでヨーロッパがツケを先送りできたのはなぜか
- 日本とは銀行事情がだいぶ違う世界の銀行
- ヨーロッパには何か解決の奥の手があるのか
- 無理して信用をつけるために監査とか客観評価といいはじめた
- 「信用収縮」がはじまると「担保探し」の時代が来る
- 担保は「換金性」と「使用価値」
- おカネは少しでも安全なところを求めて円に集まる
- 「成熟国」とは何か
- これからの日本経済を支える最大最高の資源とは
- 日本社会の「日本教」というバックボーン
- 日本教は現実対応のリアリズムだ
- 普遍性では、はかれない部分が前面に出てくる
- アジア向けのコンパクトカーがアメリカで売れる理由
- 文明は上から下へ流れ、文化は下から上へも流れる
- 普遍的であれば優れていると思う病気
- 国別でなく宗教別、人種別などで世界を見る
- いまは大きな転換点
- 「適正事故率」という思想革命
- 製品の寿命は長ければ長いほどいいのか
- 「適正異動スパン」というのもある
- 「揺らぎ」「遊び」が復権する
- 地域、国にはそれぞれのローカリズムがある
- 世界恐慌が来ても日本は大丈夫
- 選挙制度の改正は国家再生戦略の一つの方法