世界の王貞治が激賞した
感動のノンフィクション!
感動のノンフィクション!
知られざる生い立ち、大東亜戦争での凄絶な体験、戦火に散った親友・吉原正喜(捕手)への想い、愛する妻に誓った球界復帰、「球が止まって見えた」という伝説的エピソードの真相、現役引退の裏に隠された秘話……〝打撃の神様〟と称された不世出の大打者・川上哲治の半生を、川上を知り尽くした著者が圧倒的筆致で描き切る感動のノンフィクション。王貞治、長嶋茂雄、沢村栄治、三原修、水原茂、ベーブルース……一時代を築いた多彩な登場人物との熱く滾る人間ドラマも満載。
著者プロフィール
羽佐間 正雄(はざま・まさお)
1931年東京生まれ。法政大学卒業後、54年にNHK入局、スポーツアナウンサーとして活躍した。オリンピック実況11回、ゴルフ、野球、サッカー、陸上、スキーなどカバー範囲は多岐にわたった。87年には「全米スポーツキャスター協会賞」の国際部門賞を日本のスポーツアナウンサー唯一の受賞で殿堂入り。89年にNHKを退局、フリーとなり民放に活躍の場を広げた。現在、(財)日本プロゴルフ殿堂選考委員長などを務める。
目次
はじめに 第1章 少年の心に宿った野球の喜び- 母から授かった強靱な肉体
- 生涯第一号の本塁打
- 「お化けが優等生にしてくれた」
- 「私は刺身のつまだった」
- 運命を変えた一週間
- 巨人軍の“七人の侍”
- ベースボールとプロ野球の誕生
- 憧れを砕く現実
- 歴代ナンバーワン捕手
- 浸水コールドで試合中止
- 記念すべきプロ第一打席
- バットマンとしての狼煙
- 指揮官をも虜にした打球
- 二十日間で十七試合に登板
- 夢に打撃のヒントを見る
- 沢村栄治vsベーブ・ルース
- 手榴弾の遠投で肩を壊す
- 川上哲治と青田昇の共通項
- 戦雲次第に怪しく
- 開戦の日に開かれた東西対抗戦
- ユニフォームから軍服に身を包む
- 「幹部候補生を目指そう」
- 死を覚悟で選んだ道
- 前人未踏への布石
- 終戦の通達を受け、金縛りに
- 起立し、玉音放送を聞く川上少尉
- 家族を養うために即決
- 野球と軍隊で鍛えた体
- 一心不乱に生きる
- 永遠の友との別れ
- 何事にも一徹な人生
- 武骨者の家庭愛
- 打席に立つ思いで畑を耕す
- 「わしのチームに入らんか」
- 恩師から届いた一通の手紙
- 「三万円ホールド・アウト事件」
- 天に通じた妻の祈り
- 待ち焦がれたファンの喝采
- 人生第二の開幕
- 四年ぶりのベースボール
- 極限の物資不足
- 「赤バット」誕生の真相
- 「打席に入るのが気恥ずかしかった」
- 驚異の打率三割八分三厘
- 八人の四割バッター
- 極限を越える努力
- 上達の道は孤独
- 新たなライバル・青田昇
- 夜中に響くベニヤ音頭
- 本塁打王はともに長屋の住人
- 「新田理論」にのめり込む
- 幻の十一年連続三割
- 四番打者の責務と考え
- 知将・三原監督への不信感
- 「三原ポカリ事件」
- 水原茂の帰国
- 「俺は間違っていた……」
- 招かれざる気配
- 日本の魔球王
- 内助の功の発見
- 運を左右するのは努力
- 長嶋茂雄の真骨頂
- 『五輪書』に傾注
- シーズン三振数6の大記録
- 現役を去る決意
- 常人にあらざる眼力
- 「三割が打てない……」
- 押し寄せる世代交代の波
- 川上と梶浦老師の禅問答
- 無言の教え
- 「万里一空」の心境
- 四時間半の座禅に挑む
- 「水原監督の補佐役に徹します」
- 生涯を巨人に尽くす
- 川上と長嶋の野球談議
- 長嶋が車を運転しない理由
- 高速道路をバックで激走
- 川上が舌を巻く「神技」
- 王貞治の第一印象
- 勝負師の想い