そして、生き残るのは日本だけ!

行きづまりの米国、崩壊に向かう中国、静かに滅びるEU、

増田悦佐(株式会社ジパングシニアアナリスト) 著
定 価:
本体1300円+税
判 型:
四六判並製
ページ数:
256ページ
ISBN:
9784898314104
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世界最強国家、日本

いまから確実に起こる世界情勢の変化は、プラグマティズム──実用主義でうまくやってきた国々が次々と没落し始めるということだ。状況に応じてその場しのぎで発展してきたプラグマティズムの国、それはアメリカと中国である。米中は超格差社会の道をひた走り、国民の不平不満が必ず暴発する時が来る。EUも同様である。一方、日本経済も日本社会も、それらに較べてすば抜けて健全である。こうした中、日本の未来にとって、何が必要かを大胆に提言する!

著者プロフィール

増田悦佐(ますだ・えつすけ)

株式会社ジパング経営戦略本部シニアアナリスト。
1949年、東京生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修了後、ジョンズ・ホプキンス大学大学院で歴史学・経済学の博士課程修了。ニューヨーク州立大学助教授を経て、外資系証券会社で建設・住宅・不動産担当アナリストを務め、現在に至る。近著に『中国自壊』(東洋経済新報社)、『高度成長は世界都市東京から』(ベストセラーズ)、『経済学七つの常識の化けの皮をはぐ』(PHP研究所)など多数がある。

目次

プロローグ どうしようもない行き詰まりに直面するアメリカ 第1章 「アベノミクス」は庶民に何をもたらすか 第1節 いまなぜ、インフレにしようとしているのか
  • アベノミクスで儲かるのは、輸出企業と金融業界
  • インフレが進めば、所得格差も資産格差も拡大する
  • インフレに甘いアメリカの実情を見れば明白
  • 世界中の新聞がまともな意見を言えなくなってきた理由
  • 庶民は円安よりも円高のほうが得だと分かっている
  • インフレにすれば景気がよくなる?
  • 非正規雇用の増加はインフレ、デフレとはまったく関係ない
  • なぜ、非正規雇用が増えているのか
  • 雇用問題はアベノミクスでは解決しようもない
  • 日本人はこの二十年、確実に豊かになってきた
第2節 円安進行で何が起きるか
  • 日本の中間財、資本財の輸出企業は円高にも強い
  • 輸出はいまでは四割が円ベースになっている
  • 日本はなぜバカ高い価格で天然ガスを買わされているのか
  • いまだ払しょくできない経済産業省の妄想
第3節 公共事業を増やすメリットは何もない
  • 公共事業費を増やして経済はよくなってきたか?
  • 公共事業が伸びるほど、建設業界全体の粗利益率が減ってしまう
  • 「列島強靱化論」の無理
第2章  プラグマティズム大国・アメリカの崩壊 第1節 アメリカの病根
  • アメリカ大統領には全米的な抜本改革はできない
  • おとぎ話のような経済理論を実践してしまったロナルド・レーガン
第2節 産・官・医複合体のとんでもないボロ儲けぶり
  • 無保険状態にいる人が、なんと約五千万人
  • 目の玉が飛び出そうな高額の医療費
  • 超肥満大国・アメリカは医療・薬品・食品業界の結託の賜物だ
  • 金融・保険・不動産と薬品・医療関連業界の巨額な献金
第3節 自由裁量の退職年金制度がすさまじい貧困を蔓延させる
  • 社会保障費負担は増大しても、給付はあまりにもお粗末
  • 画期的と受け止められた「フォード年金改革」
  • なぜ確定給付型年金から確定拠出型年金へシフトしたのか
  • 勤労世帯の八割が、退職すれば貧困生活が始まる
  • 金持ちと貧民の対立が先鋭化する
第4節 給与がやせ細り、企業利益が拡大、法人税率はどんどん低下
  • 事実上の法人課税ゼロ状態に着実に近づいている
  • プラグマティズム大国の究極の皮肉
第3章 プラグマティズム国家の老舗・中国の崩壊は 明日か十年後か 第1節 歴史に見る中国のプラグマティズムの病理
  • 宋の時代の科挙制度の徹底で農民の税負担が激増した
  • 出身地には赴任させない「回避」という制度
  • この時代からノンキャリアの汚職は、やりたい放題だった
  • 軍事にも及んだ科挙制度の弊害
  • 宦官も非常に底の浅いプラグマティズム
  • あまりにもグロテスクな慣習、纏足
第2節 共産中国はいつ滅んでもおかしくない
  • 貧富の格差の大きいことが、共産党の権力を支えている
  • アメリカに次いで超高級車ベントレーが売れている
  • 「流動人口」が二億三千万人という危険
  • 都市戸籍と農村戸籍の超えることができない大きな格差
  • 中国から海外への不正送金は、年間平均で二十三兆円にのぼる
  • 共産中国が崩壊する日は確実にくる
第4章  EUはただ静かに滅びるのみ 第1節 ユーロ圏大激動の本質
  • 国民経済の市場規模拡大を狙ったEU統合は大きな間違いだった
  • ギリシャがドイツと同じ金利でカネを借りることができる不思議
  • ヨーロッパ人は実力以上の生活をしている
第2節 フランスには国家社会主義という大問題がある
  • フランスは国が経済に口を出し過ぎている
  • 日本がユーロの破綻に巻き込まれる心配は少ない
第3節 人口減少は悪か、移民導入は善か?
  • 先進国の人口減少は、ほんとうに悪いことなのか?
  • 近年、なぜフランスで合計特殊出生率が上がっているのか
  • 移民問題で一番大きいのは、言葉と人種の壁
  • 治安は悪化し、固定した貧困層をつくっていく
  • 日本は移民を受け入れる必要はない
第5章  日本の未来は前途洋々 第1節 経常収支こそ一国の経済の健全度を測る試金石
  • 日本経済が健全な理由
  • インフレを進めて国債を増発すれば危機を招く
  • 日本経済は世界最強にもかかわらず、なぜアベノミクスなのか
第2節 高齢化できない社会は豊かにもなれない
  • 高齢者の需要を喚起する工夫が必要
  • 高齢化社会こそ豊かな社会であることを自覚すべきだ
  • 少子化対策よりも都市化をすすめたほうがいい
  • 高齢者がカネを使いやすくするためにも都市化をさらに進める
第3節 第一次産業も第三次産業も前途は洋々
  • 日本の第一次産業が心配ない理由
  • 非正規雇用から正規雇用への転換のチャンスは大きい
  • 日本のあるべき姿のモデルは江戸時代
エピローグ あとがきに代えて
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