
人生の競争に勝つための方法!
『孫子』は昔も今も、東洋にも西洋にも、国家にも会社にも個人にも通ずる真理を含んでいる「生きている本」である。「正直なだけでは生き抜けない」「戦いは軽々しく始めるべきではない」「目的のためには金を惜しまない」「勝負はスピードが肝心」「他人をあてにするのは愚か」「情報のキーマンを育成せよ」など、人生の場面での根本の原理原則が書かれており、国民すべてが『孫子』のエッセンスを身につけることが、日本国全体にとっても重要である。政治家、ビジネスマン必読の書!
著者プロフィール
渡部 昇一(わたなべ・しょういち)
上智大学名誉教授。英文学者。文明批評家。1930年、山形県鶴岡市生まれ。上智大学大学院修士課程修了後、独ミュンスター大学、英オクスフォード大学に留学。Dr.Phil.,Dr.Phil.h.c.(英語学)。第24回エッセイストクラブ賞、第1回正論大賞受賞。著書に『英文法史』などの専門書、『文科の時代』『知的生活の方法』『知的余生の方法』『アメリカが畏怖した日本』『「修養」のすすめ』『「日本の歴史」①〜⑦』『読む年表 日本の歴史』などの話題作やベストセラー多数がある。
谷沢 永一(たにざわ・えいいち)
関西大学名誉教授。1929年、大阪市生まれ。関西大学大学院博士課程修了。専門は日本近代文学、書誌学。社会評論にも幅広く活躍。サントリー学藝賞、大阪文化賞、『文豪たちの大喧嘩─外・逍遙・樗牛』で読売文学賞受賞。著書に『完本・紙つぶて』『百言百話』『回想 開高健』『人間通』『歴史通』など多数がある。2011年3月逝去。
目次
〈プロローグ〉『孫子』の醍醐味とは- 人生とは競争によって成り立っている──谷沢
- 心に響いた「兵は拙速を聞く」──渡部
- 確立されていた将軍の権威──谷沢
- 実際に成功に繫がる教え──渡部
- 戦争は危機を脱する手段──谷沢
- 現代の経営者、政治家に読ませたい本──渡部
- 準備なしに始めた大東亜戦争──谷沢
- 慎重だった明治のリーダーたち──渡部
- 日露戦争はなぜ勝てたのか──谷沢
- 前大戦の失敗の本質を見極める──渡部
- 理不尽な行為には断固怒れ!──谷沢
- 早くから旗印を掲げた信長──谷沢
- 石油を止められた日本人の立場──渡部
- 騙すことこそ人生の大道──谷沢
- 世界では詭道と詐術に境界がない──渡部
- 能力は誇示しすぎず、隠しすぎず──谷沢
- 無能を装った大石内蔵助──渡部
- 信長は『孫子』を読んでいた──渡部
- 大事なことを計算しなかった艦隊派──渡部
- 東郷平八郎は無謬の将軍ではない──谷沢
- 本当の計算のできる人ほど疎外される──渡部
- 軍艦を惜しんだ海軍軍人──渡部
- 軍艦の目的を見失った海軍──谷沢
- 時間をかける戦争、かけない戦争──谷沢
- シナ事変が長引いたのは痛恨の極み──渡部
- 日本陸軍には自動制御が欠落していた──谷沢
- 過失の責任をとらない大蔵省──渡部
- 共産圏は『孫子』に学んでいる──渡部
- 共産革命は敵の崩壊を座して待つ──谷沢
- 優れた武将は勝って得るものを考える──谷沢
- 城攻めに手を焼いた武将たち──渡部
- 日本はアメリカを知らずに戦った──渡部
- 世界を探る努力を放棄した日本陸軍──谷沢
- 「フロンティア・スピリット」という言葉を知らなかった日本人──渡部
- 目につきやすい功績は、真の功績にあらず──谷沢
- 表れない名将の名──渡部
- ヒトラーは『孫子』を読んでいなかった──渡部
- 四千の兵が一万五千の兵を破った鳥羽・伏見の戦い──谷沢
- 「激水」の疾さを感じる真珠湾攻撃──渡部
- 秀吉の誘導にはまった勝家──谷沢
- チャーチルの誤算は、日本が想像以上に強かったこと──渡部
- 見えてこないユダヤ人財閥の力──渡部
- 目に見えない力の効果──谷沢
- 日本を世界の財閥が住める国に──渡部
- 二重スパイ、大いに結構──谷沢
- 天下を開いた秀吉の強運──谷沢
- 輜重を軽く見た日本──渡部
- 懐疑的な発言は封じる日本陸軍の体質──谷沢
- 『孫子』に見る絶妙の比喩──渡部
- 文化を運んだ舌耕の徒──谷沢
- 命令を握り潰した叩き上げの隊長──渡部
- 士官学校上がりをバカにしていた古参兵──谷沢
- ヒトラーの援軍をあてにしていた日本軍──渡部
- 希望的観測で物事を判断するな──谷沢
- 「宋襄の仁」にはなるな──渡部
- 「ええかっこしい」ではいけない──谷沢
- 観察力をいかに養うか──渡部
- いまの不況を招いたもの──谷沢
- 家庭内暴力はなぜ起こるか──渡部
- 親や教師は命令権を確立せよ──谷沢
- 国民の不信に気づかなかった社会党──谷沢
- アメリカに「人民」はいない──渡部
- 建前を知って本音を知らず──谷沢
- 日本はなぜアメリカを理解できないか──渡部
- 日本人は外国を知らなければならない──渡部
- 日本軍と日本人の分断を図るインテリたち──渡部
- ファシズムの担い手とは──谷沢
- 日本の痛いところをついたアメリカ──渡部
- 最愛のものを奪う──谷沢
- 将軍が神頼みだと危ない──渡部
- 神仏についての建前と本音──谷沢
- 第二次世界大戦に見る呉越同舟──谷沢
- プロパガンダを鵜呑みにする学者たち──渡部
- 将たる者の胸の内──渡部
- 信頼が不安を払拭する──谷沢
- 心ある外交官の言葉を無視した日本──渡部
- 相手の立地条件を知る──谷沢
- 戦後の平等主義は活力を低下させる──渡部
- 能力主義の時代には破格の扱いを──谷沢
- 本当の脱兎はニミッツだった──渡部
- しずしず攻めて素早く落とす──谷沢
- アメリカは早くから日本の火攻を考えていた──渡部
- B29の火攻め──谷沢
- 費留は高くつく──渡部
- 怒りが日本を滅ぼした──渡部
- 面子問題の怒り──谷沢
- 怒らなかった明治維新の日本人──渡部
- 冷めた怒りが維新を可能にした──谷沢
- 日本は情報収集を冷遇した──渡部
- スパイは厚く遇するほど効果がある──谷沢
- スパイを使いこなせなくなった日本──渡部
- プライベートが持つ力──渡部
- 生かさなければならない財閥の情報網──渡部
- 「宋襄の仁」にはなるな──渡部 284
- 古典は試金石──谷沢 286