アイデンティティクライシス!
2014年は、中国の分解、そしてアメリカの自信喪失と迷走がはじまる。EUも衰退の一途をたどり、残るのはドイツだけである。ヨーロッパは労働力確保のため移民を受け入れてきたが、失業率が高い状態で職の奪い合いが起こるなか、移民への差別、人種差別意識が表面化してくるであろう。それは世界的な問題となる。そんな2014年を読み解くキーワードは「アイデンティティクライシス」だ。文化・精神・思想・道徳が問題になり、グローバリズムからローカリズムに変わる。それによって世界は自分を発見し、新しい時代に入るのだ。
著者プロフィール
日下公人(くさか・きみんど)
評論家。日本財団特別顧問。社会貢献支援財団会長。三谷産業株式会社監査役。日本ラッド株式会社監査役。1930年、兵庫県生まれ。東京大学経済学部卒業。日本長期信用銀行取締役、(社)ソフト化経済センター理事長を経て東京財団会長を務める。ソフト化・サービス化の時代をいち早く先見し、日本経済の名ナビゲーターとして活躍。未来予測の正確なことには定評がある。著書に『アメリカはどれほどひどい国か』(PHP研究所)、『自主防衛を急げ!』『日本既成権力者の崩壊』(李白社)、『つくられた「環境問題」』『アメリカ、中国、そして日本経済はこうなる』『2012年〜日本と世界はこうなる』『それでも、日本が一人勝ち!』(ワック)など多数がある。
目次
まえがき 第1章 これからの世界情勢 ──EUは衰退の一途でアメリカ、中国は分裂する- EUで生き残るのはドイツだけ
- アメリカでは、人種戦争がはじまる
- これから出てくる世界的な問題は、人種問題
- 言語差、学歴差、階級差
- なぜ、また人種差別が問題になるのか
- 中国の分解要素は、言語と都市戸籍・農村戸籍の問題
- 三十年周期でとらえても、中国はそろそろ分解する
- 日本版CIAが必要だ
- 日本はアメリカ、中国とはどんどん離れればいい
- 日本企業は海外進出しても権益の確保をきちんとやってこなかった
- 日本は海外で大金を捨ててきた
- いまの韓国の対日姿勢は、日本が甘やかしてきた結果
- 毛沢東は、共産党が政権をとれたのは「日本軍のおかげ」と言っていた
- アメリカとは、州とつき合う
- 下手に出る「劣位戦」から「優位戦」へ
- 外務省、経済産業省の官僚に代わって、優位戦ができる人材が必要だ
- なぜ日本は海外交渉で劣位戦を続けてきたのか
- 日本人も中国、韓国の態度にはさすがに腹を立てはじめた
- 「村山談話の引用は一切止めるべき」と書いた元外務事務次官
- 外務省はもちろん、日本企業も危機管理が甘い
- 現地の裏情報がとれるくらいでないと、本当の仕事はできない
- ビジネス界から優位戦のできる人材を入れる
- オールジャパンの団結をつくるのもビジネスの一つ
- 日本が国際社会のルールをつくる国になる
- すでに安倍首相は「優位戦」を展開している
- 財政赤字の諸悪の根源は財務省である
- 役人には先見性がない
- 消費税を上げる前にやるべきことはいくらでもある
- 消費税導入の歴史を振り返って見えてくるもの
- 財政赤字を言うなら、まず役人が身を慎んでもらいたい
- 公務員の採用や人事を変える必要がある
- 社会保障制度はいまのままでいいのか
- 社会保障制度の淵源は、国家にとって都合のいいもの
- 社会保障制度は余計で、国民に対して失礼だ
- 国家に頼るか、自己責任で何とかするか
- 国家の最適規模を考えなければならない
- 第1節 成長戦略をどうとらえるか
- インフレがいいかデフレがいいかは立場によって違う
- 日本はさらに経済成長するほうがいいのか、しなくていいのか
- TPPは是々非々でいい
- 技術は必ず移転する
- アメリカは自国の利益を守るためには、あらゆる手段をとる
- いますぐには必要ない不要不急産業が、成長産業
- 高齢化を生かせばいくらでも新たな産業は生み出せる
- 海外に企業のOB村をつくればいい
- 元気な高齢者が社会を変える
- 第2節 日本が直面している問題を一挙に解決する
- 「スパイ防止法」を持っていない国は、一人前とは言えない
- 自衛隊のイメージがよくなり、海上保安庁志願者が増えている
- 全国一区の選挙制度にすれば日本は変わる
- 落選議員に退職金を五億円出せば、現職議員も賛成する