幻の特攻基地「万世」とは、
そして「特攻」とは
そして「特攻」とは
幻の特攻基地「万世」──敗戦とともに埋もれた基地を、元特攻志願兵・苗村七郎が掘り起こした。特攻に志願しながらも生き残った苗村は、一億円の私財と生涯を死者たちに捧げた。彼が全国に点在した「英霊」という死者の声を一つ一つ集め、記録したことで、「万世」は再び輝き、その物語が語られ始める。
苗村七郎の戦中・戦後を通して、声を上げることができなかった遺族たちの心情と記憶に迫った感動のノンフィクション!
著者プロフィール
清武英利(きよたけ・ひでとし)
1950年宮崎県生まれ。立命館大学経済学部卒業後、読売新聞社に入社。社会部記者として、警視庁、国税庁などを担当。中部本社(現・中部支社)社会部長、東京本社編集委員、運動部長を経て、2004年8月より、読売巨人軍球団代表兼編成本部長。2011年11月18日、専務取締役球団代表兼GM・編成本部長・オーナー代行を解任される。著書に、『こんな言葉で叱られたい』(文春新書)、『しんがり 山一證券最後の12人』(講談社)、『私の愛した巨人』『巨魁』(ワック)などがある。
目次
プロローグ 斎場の万歳三唱 第1章 幻の特攻基地- 戻ってきた航空兵
- 空人
- 「特攻の母」
- 犬を抱いた少年兵
- 誘致
- 消えた飛行学校
- ある特攻兵の日記
- 「父恋しと思はば空を視よ」
- 三度の倒産
- 「流れ星」の音
- 未だ還らず
- 亡き愛子に告ぐ
- 「よそ者」が建てた慰霊碑
- 母親たちの悲憤
- 「生きている限り、書く」
- 息子との激論
- 親友の遺書
- 乗り込んだ老兵
- ドン・キホーテと反発
- 生還特攻隊員の弔辞